2013年10月30日水曜日

Phase 1-2: Workshop by Edwin Gardner from monnik

On 28 September, there was a workshop by the founder of monnik Edwin Gardner. First he gave us a presentation on his works and ideas about the city. Then the participants had a group discussion and share each group's ideas to all. Students from University of Adelaide also joined the workshop.
9月28日は、オランダ・アムステルダムにてリサーチラボラトリー「monnik」を主宰するEdwin Gardnerによるワークショップを行いました。まず初めにEdwinによるレクチャー、その後でグループに分かれてのディスカッション。最後に全体で発表をしました。今回もアデレード大学の学生が参加しました。

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Edwin said "Monnik is founded and run by Christiaan Fruneaux, Edwin Gardner and Vincent Schipper. we are a laboratory for investigation, imagination and storytelling. We are fascinated by the triumph and tragedy of modern life. We make texts, objects and events."
Edwin 「monnikは、ChrisとVincent、私の3人によって設立されたラボラトリーです。活動は様々な形態をとりますが、興味を持った事柄についてリサーチや分析を行い、その結果を記事にしたり発表したり、また展示を行うこともあります。私たちが関心を持っていることの一つに『文化と自然の差異』がありますが、それを象徴する興味深い話を紹介します。小さな子どもが「Wow Wow(ワウワウ)」「Auto(アウト)」という2つの単語を話すようになったそうです。Wow Wowは動物や木、川など自然界のもの、Autoという時は車や家など人が作ったものを差しているそうです。小さな子どもすら本能的にその違いを理解しているという点が印象深いと思います。ここ1年半ほど興味を持っているテーマは『現代社会が勝ち得たものと悲劇』についてです。」



Edwin also talked about Still City Project which they did workshops in Tokyo with international participants.
昨年東京でワークショップを行ったStill City Projectについても紹介しました。
「このまま世界が成長し続けると、2050年頃には人口に対して資源が不足することが予想されています。経済成長や技術革新、人口増加といった現代社会における"成長"の価値観を超えた、Still Cityという包括的で持続可能な社会のあり方を模索するプロジェクトが、Still City Projectです。昨年秋に、遠くない未来にそうした危機に直面することが予想される東京を対象に、Still City Tokyo Workshopを開催し、リサーチやワークショップを行いました。」

また、同じくmonnikがテーマにしている都市のあり方の説明として、自動車製造が機械化されたファクトリーオートメーションの映像と、20世紀後半から21世紀初頭のアメリカの生産と雇用に関するグラフを参照しながら、労働と雇用の問題についても言及しました。
「産業革命やファクトリーオートメーションによって製造の機械化が行われ、社会はより少ない労働力でより多くの製品を作れるようになりました。肉体労働に変わってIT等の知的労働も増えましたが、機械化によって人間を雇う必要性が減ったことも事実です。アメリカの生産力と民間企業の雇用を示したグラフを見ると、生産力が右肩上がりなのに対して、雇用は2000年ごろを区切りに停滞し、2009年の経済危機以降はさらに減少しています。」






Then, making up a 4-5 people groups, students had a discussion when or where they feel EASE / COMFORT, AWE / ALIVE, MELANCHOLIA, and ANGER. ワークショップとして行ったのは「都市の中でどんな時に、またどんな場所で『安らぎ、安心』『畏敬、活動的な気持ち』『憂鬱な気持ち』『怒り』を感じるか」のディスカッション。キーワードごとに4つのグループに分かれて話し合いをしました。アデレード大学とCITY TALESの参加者の混合グループを作ったため、文化的背景の違いが感じられるディスカッションになりました。






After the discussion, each group did a presentation.
40分ほどの話し合いの後、各グループが発表を行いました。
EASE(安らぎ)については、自然に関することが多く挙げられました。日本とオーストラリアの違いが表れていたのは、アデレード大学の学生が「馬の背中に乗っている時」「クリスマスツリーの匂い」を挙げたのに対して、同じグループだったCITY TALES参加者の井本さんは共感しにくいということでした。また東京で感じられる安らぎで特徴的だったのは「街のなかでヘッドフォンをしているとプライベートな聖域が作れる」、「録音された鳥の鳴き声が街の中で流れているなど、人工的な自然が作られている」といった意見でした。



アデレード大学の学生が東京で感じたAWE(畏敬)/ALIVE(活動的)は「統制のされかた」。例えば電車が時間通りに発着することやコンビニエンスストアの店員の対応など。とても狭い土地にたくさんの人がいて、それでもきちんと整備されている点に驚いたそうです。CITY TALES参加者でジャカルタ出身のプジさんも、東京には「常に動いている」「忙しい」印象を持っているそうです。
また、2グループの発表を聞いて、Julianは「EASEはオフの状態、AWE / ALIVEはオンの状態と言い換えられるのではないか」と指摘しました。

 

次はMELANCHOLIA(憂鬱な気分)。アデレード大学の学生は「新宿駅で道に迷ってしまった時」に感じたそうです。「東京はなんて大都市なんだろうと感じると同時にアデレードの小ささを懐かしく思った」とのことで、何かを体験することで過去の記憶が呼び起こされることについても話題になりました。CITY TALES参加者の小島さんが話したのはライブハウスで感じる憂鬱さについて。渋谷のライブハウス・クラブは地下にあることが多いけれど、キリスト教の世界でも地下はカタコンベとして使っていたり、円山町は元々お墓だったという土地柄も関係しているのではないか、またドラムの音やリズムが古代的な音に感じるからではないかという興味深い考察もありました。
最後にANGER(怒り)。まず挙げられたのは「混雑」でした。アデレード大学の学生が指摘したのは、東京では駅の人ごみ、オーストラリアでは町中の車の混雑という違いでした。また、公共空間でルールが破られることに対して怒りを感じるのではないか、という意見に対しては、Edwinから「(東京の)電車で若い女の子を叱る年配の女性を見たことがあります。女の子が何か好ましくない行動をしていたようで、それを指摘しているようでした。間違った行動を正すことで、女性自身は心地よかったのかもしれませんね」というコメントがありました。






これまで出た意見を元に、最後にEdwinからのコメントです。「”安らぎ”という感情を一つとってみても、様々な違いが出ました。対極と思われる考えもみられましたが、これは個人のバックグラウンドの違いから来ていると思います。欧米では、小さい頃から人前で自分の考えを表明したり、立場をはっきりさせることが求められます。それに対して、日本人はグループでの調和、他人に受け入れられる行動は何かを考え、相手がどう反応するかを見て行動しますね。そういった違いからも、何が心地よいかという価値観が変わってくるんでしょうね」Julian「そうですね。一緒に、孤独になりましょう(being alone together.)」


Also, hereby a participant Mr. Imoto shows his feedback.
参加者の井本さんの感想を以下に掲載します。

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I had a hard time to listen to the speech in English.
Some point which I was impressed is "difference" about sensitivity to the City between people in Adelaide and people in Tokyo. They connected a word "Ease" with hill, skyline, riding horse etc... These are never appeared in my mind.
So my conclusion is that "City" should be connected to sensitivity with people living there no matter how modern or convenience or beautiful.
正直、あまり英語を聞き取れなくて苦労をした。
それでも印象的に残っているのは、Adelaideの学生が感じる、都市に対するsensitivityと、僕が感じるsensitivityには大きな差があったこと。例えば、"Ease"として、hillやskyline, riding horseなど、想像もつかない回答がたくさんあった。
なので、街というのは、単にモダン、便利、奇麗なだけでなく、そこに住んでいる多様な人のbackgroundなどを考慮することで、住みやすい街が出来るのかなと思った。

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